セマンティックでアクセシブルなHTML講座(UXライティング編)

デザイン&リサーチ ポカリ(Poca11y)チーム

2020-09-01

初めに

デザイン&リサーチ ポカリ(Poca11y)チームのSUGI(@blindsoup2p1)。

ポカリチームでは定期的にアクセシビリティ勉強会を開催していきます。
勉強会告知スレッドアクセシビリティ事務連絡で告知していきますので、お誘いあわせの上ご参加お願いします。

アクセシビリティに関する質問・相談は以下へお願いします。

勉強会の概要

アクセシビリティの観点を意識した文言の考え方・付け方

機能を生かすのも殺すのも文言次第。
文言が適切で、適格に伝われば、より多くの人に届くアクセシブルなウェブコンテンツになります。

ページタイトル・ボタン・画像の代替テキスト・リンクテキストについて紹介します。

コンセプト

誰に:プロダクトライターの方々
何を:文言を検討するときのアクセシビリティの観点を知れた、普段から意識してみよう、と思って欲しい

誰に:HTML にかかわるエンジニア・ウェブ制作者の方々
何を:文言の重要性がわかった、文言のさまざまな付け方がわかった、といって欲しい

Agenda


文言の基本的な考え方

前提として、タイトル・ボタン・画像・リンクの文言を取り扱う。

考え方:テキストが最もアクセシブル。テキストを提供する。

  1. 可能な限りテキストで文言を提供する(アイコンとの併用も可)
  2. アイコンのみで示す場合
    1. そのアイコンが直感的でわかりやすいのか留意する
    2. ツールチップなどで文言を提供する
    3. ↑ が達成できない場合、画面には表示されない隠しテキストで文言を提供する(スクリーンリーダーで読めるため)

基本編

ページタイトル

ページタイトルの付け方

サイボウズの事例


ボタン

ボタン文言の原則

サイボウズの NG 事例


画像の代替テキスト

代替テキストの付け方

※alt 属性そのものを省略すると、スクリーンリーダーがファイル名を読み上げたり「ラベルのない画像」と読み上げるので注意

画像の説明の仕方

<文字画像の場合>

<写真・イラスト・グラフなどの場合>

パラグラフライティングの容量で、最初に主題を、その後徐々に詳細度を上げていくように書き下す。

例:画面キャプチャ:kintone のレコード編集画面。「スプリント」のドロップダウンがハイライトされている。

<装飾用画像>

※装飾であっても、イメージや情報を伝えたい場合は代替テキストを設定することもある。

サイボウズの NG な事例


リンク

リンクの文言の付け方

サイボウズの NG 事例

応用編


デザイン上文言を画面に表示させられない時

アイコンフォントや背景画像(background-image)で示し、文言を画面に表示させないことが多々ある。

しかし、その場合、アイコンや画像を見ても理解できない人・スクリーンリーダーユーザーに情報が伝わらない。

以下の 3 つのうちどれかひとつ実装し、文言を提供する。


状態が切り替わるトグルボタンの時

状態が切り替わったことを以下のいずれかで伝える。


まとめ

テキストが最もアクセシブル

画面に表示しない場合でもいずれかの方法で文言を提供すること。

文言は(可能な限り)それ単体で機能を推測できること。